「ITコンサルは激務」というイメージは、転職を考え始めた頃からずっと付きまとっていました。実際にSIer(システムエンジニア)からITコンサルへ転職してみて感じたのは、激務かどうかは案件次第で波があるということと、それでも家庭との両立で困る瞬間は確実にあるということでした。
「ITコンサル 激務 家庭 両立」で検索すると、プロジェクトのフェーズやファームの種類によって忙しさが変わるという解説記事や、役割分担・家事代行の活用を勧める個人ブログが上位に並びます。どれも参考になる内容でしたが、忙しさの波そのものを、いつ・どうやって家族と事前に共有するかという具体的なやり方についてはあまり書かれていないように感じました。この記事では、その抜け落ちがちな部分を自分の経験から補ってみたいと思います。
この記事でわかること
- 「激務かどうか」より「波を事前に共有できるか」が家庭との両立を左右する理由
- 案件の山場を家族と共有する具体的なやり方
- 実際に取り入れている4つの工夫
「激務かどうか」より「波があること」が想像しにくかった
転職前に漠然と抱いていたイメージは、毎日一様に忙しいというものでした。実際に働き始めてみると、要件定義の初期段階や導入直前のようなタイミングでは確かに帰りが遅くなります。一方で、案件が落ち着いている時期にはSIer(システムエンジニア)時代よりも余裕を感じる週もありました。
「激務かどうか」を平均で語っても実感からずれてしまい、本当に大事なのは山場がいつ来るかを事前に予測できるかどうかだったというのが、実際に働いてみて一番痛感した違いです。忙しさの絶対量よりも、その見通しの有無が家庭生活への影響を大きく左右していました。
家族に「今日も遅い」を繰り返して気まずくなった時期
転職して最初の数ヶ月は、案件の状況を自分の中だけで把握していました。家族には「今日は遅くなりそう」とその日の朝や夕方になってから伝えるのが精一杯で、直前に言われる側は当然予定を立てづらく、こちらも毎回気まずさを感じていました。
特にきつかったのは、要件定義の佳境と家庭の行事が重なった週です。事前に見通しを伝えられていなかったせいで、結果的に家族に調整の負担を寄せてしまったことがありました。この失敗が、後述する「予定の可視化」に取り組むきっかけになりました。
実際にやっている4つの工夫
- 案件の山場(要件定義完了・テスト期間・リリース時期)を早い段階で家族カレンダーに書き込む
- 家事代行等の外注より先に、忙しい時期の「見通しの共有」を優先する
- 山場の後ろに「代休・家族の予定を優先する週」もセットで仮置きしておく
- 月に一度、案件の見通しと家庭側の予定をお互いに確認し合う時間を作る
案件の「山場」を家族カレンダーに先に書き込むようにした
仕事のほうでは、複数案件を掛け持ちする際に曜日や時間帯をあらかじめ固定し、スケジュールにも周囲にも明示しておくという工夫をするようになりました。この考え方をそのまま家庭にも応用してみることにしました。
具体的には、案件がアサインされた時点で、要件定義完了・テスト期間・リリース時期といった大まかなマイルストーンを、家族と共有しているカレンダーアプリに早い段階で入れてしまいます。細かい業務内容までは共有できなくても、「この週は帰りが遅くなりそう」という見通しだけを先に渡しておくようにしただけで、家族側も自分たちの予定を調整しやすくなりました。
家事代行や外注より先に、可視化を選んだ理由
忙しさへの対処法として、家事代行サービスやネットスーパーなどの外注を活用するという話もよく見かけます。実際に取り入れている家庭もあると思いますし、有効な選択肢だと思います。
ただ、自分たちの場合はまず「見通しが立たないこと」自体がストレスの主な原因でした。そのため、外注でタスクを減らす前に、忙しい時期がいつ来るのかをお互いが把握できる状態を作ることを優先しました。見通しさえ立てば、忙しい週は家族側が多めに家事を引き受け、落ち着いている週はこちらが挽回するという分担が自然に回るようになったからです。外注は、その上でどうしても手が回らない繁忙期にピンポイントで頼る、という位置づけにしています。
外注そのものを否定しているわけではなく、見通しが立った上で「それでも足りない部分」を補うために使うのであれば、むしろ積極的に頼っていいと思っています。順番として、まず見通しを共有し、その上で足りないリソースを外注で埋める、という組み立て方が自分たちには合っていました。
山場の後の「閑散期」を、あらかじめ家族の予定に確保しておく
案件が要件定義や導入直前の山場を越え、いったん安定稼働に入ると、次の案件が始まるまでの間に比較的余裕のある時期が訪れることがあります。ここも案件次第で一律には言えませんが、忙しい時期があった分、落ち着いた時期にまとめて休みを取り、家族との時間に充てるという発想を持つようにしています。
具体的には、山場を家族カレンダーに書き込むのとあわせて、その山場の後ろに「代休・家族の予定を優先する週」もセットで仮置きしておきます。忙しい時期を我慢するだけで終わらせず、その埋め合わせのタイミングまで先に見せておくことで、家族側も「今だけの辛抱だ」と見通しを持ちやすくなったように感じています。
月に一度、パートナーと「認識合わせ」の時間を作る
会社では上長と定期的に面談を行い、期待値のズレを早めにすり合わせる習慣がありますが、これは家庭でも同じように役立つと感じています。月に一度、案件の見通しと家庭側の予定(行事や体調の変化など)をお互いに確認し合う時間を意識的に作るようになりました。
「言わなくても分かるはず」という前提を置かないことが、家庭内でのすれ違いを減らす一番のポイントだと感じています。SIer(システムエンジニア)時代は同じ職場で長時間過ごす分、状況がなんとなく伝わっていた面もありました。コンサルになってからは、自分から意識して共有しない限り家族には伝わらないのだと、身をもって痛感しました。
忙しさをなくすより、見通しを共有することを優先する
ITコンサルの激務と家庭の両立は、忙しさそのものをなくすことよりも、忙しくなるタイミングをどれだけ早く家族と共有できるかにかかっていると、実際にやってみて感じています。完璧な仕組みではありませんが、山場を先に見せておくだけで、家庭内の気まずさはかなり減らせました。
案件ごとの働き方の実感については、以前コンサル1年目、実際の1日のスケジュールでも書いていますので、あわせて読んでみてください。SIer時代に感じていたことも含めて振り返った内容はコンサル転職前のSIer時代、感じていたことを全部書くにまとめています。
家庭との両立を考えると、転職前から自分の市場価値や働き方の選択肢を広げておくことも、将来への安心材料になると感じています。もし学び直しや資格取得に関心があれば、まずは気負わず資料を取り寄せて情報を集めてみるのもひとつの方法だと思います。


