コンサルで複数案件を掛け持ちして頭が追いつかなくなった話|曜日・時間帯を固定して乗り越えた工夫

複数案件を掛け持ちするコンサルタントのイメージ 入社後ギャップ

複数の案件を同時に任されるようになったとき、正直なところ「これは思っていたより大変だ」と痛感しました。案件ごとに求められる思考のモードがまったく違うため、頭の切り替えがうまくいかず、気づけばタスクだけが積み上がっていくという感覚に、何度も苦しめられた経験があります。

SIer(システムエンジニア)時代は、基本的に1つのプロジェクトに専念できる体制が多く、目の前の案件にだけ集中して取り組めばよい環境でした。ところがコンサルに転職してからは、案件ごとに業界も論点もクライアントとの関係性も異なる複数の仕事を並行して抱えることが、決して珍しくなくなりました。

この記事でわかること

  • 複数案件の掛け持ちで頭の切り替えができなくなる根本的な原因
  • 「固定化」「可視化」「宣言」という3つの具体的な対処法
  • 上司への伝え方のコツ

複数案件を掛け持ちして分かった本当の大変さ

掛け持ち自体がつらいというより、案件Aの会議が終わった直後に案件Bの資料をまとめ、その合間に案件Cからの問い合わせに対応する、というように、思考のギアを何度も入れ替え続けなければならないことが一番こたえました。

一つひとつの案件は決して手に負えない量ではないのに、切り替えのたびに集中力を使い果たしてしまい、気づけば夕方には頭がまったく働かなくなっている、という日も少なくありませんでした。

特につらかったのは、案件Aの検討で使っていた論点や数字が、案件Bの会議中にふと頭に混ざり込んでしまう瞬間です。発言する直前で「これはどちらの案件の話だったか」と一瞬止まってしまい、周囲に不安を与えてしまったこともありました。タスクの量そのものより、この頭の中の混線が一番のストレスでした。

なぜ頭の切り替えがうまくいかなかったのか

振り返ってみると、単純に業務量が多いことよりも、案件ごとに前提としている論点・クライアントとの関係性・議論のスピード感がまったく違うことが根本的な原因だったと感じています。

例えば、ある案件では慎重に合意形成を積み上げる進め方が求められる一方、別の案件ではスピード重視でどんどん仮説をぶつけていく進め方が求められる、というように、案件ごとに仕事の進め方そのものを切り替える必要がありました。

この切り替えコストの大きさは、実際に複数案件を掛け持ちしてみて、初めて実感した部分です。単純作業の掛け持ちであれば慣れで対応できても、案件ごとに「考え方の軸」自体が変わるコンサルの掛け持ちは、性質が違う負荷だと感じました。

曜日・時間帯を固定するという工夫

この状態を変えるために自分なりに試した工夫が、案件ごとに対応する曜日・時間帯を、あらかじめ固定してしまうことでした。「この曜日のこの時間帯は案件Aだけに集中する」というように区切りを先に決めてしまうことで、その都度どちらを優先するか迷う判断コスト自体をなくすことができました。

あわせて、その区切りをスケジュールツール上にも明示的に反映するようにしました。予定表を見れば、自分がどの時間帯にどの案件へ意識を向けているかが一目で分かる状態を作ったことで、自分自身の頭の整理にもつながりました。

もちろん、実際には急な差し込み対応が発生し、固定した区切り通りにいかない日もあります。その場合でも「今日はイレギュラーで案件Bの時間を削っている」と自分で認識できているかどうかで、後から挽回する動きの早さがまったく違いました。固定した型があるからこそ、崩れたときにも早く気づけるという副次的な効果もありました。

周囲への宣言で得られた副次的なメリット

さらに、この対応可能時間帯をチームメンバーにも明示的に共有するようにしました。「この時間は別案件に集中しているため、急ぎでなければこの時間以降に連絡してほしい」と事前に伝えておくことで、割り込みの問い合わせ自体を減らせただけでなく、周囲との調整もかなりスムーズになりました。

実際に効果があった3つの工夫

  1. 固定化: 「この曜日のこの時間帯は案件Aだけ」と対応する曜日・時間帯をあらかじめ決めてしまう
  2. 可視化: その区切りをスケジュールツールに明示し、自分がどの時間帯にどの案件へ意識を向けているか一目で分かる状態にする
  3. 宣言: 対応可能時間帯をチームメンバーにも共有し、急ぎでない連絡は時間外にしてもらうよう伝える

掛け持ちの大変さそのものは多くの記事で語られていますが、私の場合はこの3点をセットで行ったことが、実際に効果を感じられた工夫でした。特別なツールや才能ではなく、地道な段取りの工夫で負荷を減らせるという点は、これからコンサルを目指す方にも知っておいてほしいところです。

宣言を始めた当初は、周囲から「そこまで細かく区切らなくても」と言われるのではと少し身構えていました。ところが実際には、他のメンバーも似たような掛け持ちの悩みを抱えていたようで、逆に「その考え方は参考になる」と声をかけられることが何度かありました。個人の工夫のつもりが、結果的にチーム内でスケジュールの組み方を見直すきっかけにもなったのは、想定していなかった収穫です。

「1日の働き方」や「助け合いの文化」ともつながる話

会議が終わった直後にラップアップを済ませ、すぐ次のアクションに落とし込むサイクルの速さについては、コンサル1年目、実際の1日のスケジュールでも触れました。この案件の進むスピード自体が速いからこそ、掛け持ち時の切り替え負荷も大きくなりやすいのだと思います。

また、困ったときに周囲へ相談しやすい文化があったからこそ、この対応可能時間帯の宣言を、気兼ねなくチームに共有できました。この点については助け合いの文化・上司との距離感、SIer時代との違いでも書いた通りです。

入社後に感じたギャップ全般についてはSIerからITコンサルへ転職して味わった入社後ギャップ、感じたことを全部書くにまとめていますので、あわせて読んでみてください。

終わりに

複数案件の掛け持ちは、コンサルというキャリアを選ぶ以上、避けて通れない場面の一つだと感じています。「固定化」「可視化」「宣言」という地道な工夫を積み重ねることで、頭の切り替えの負荷は確実に減らせるというのが、実際に試してみた実感です。

コンサルでは複数案件の掛け持ちが珍しくないため、転職前からこうしたスケジュールの組み方を頭に入れておくと、入社後の負担は大きく変わると思います。上司や案件のマネージャーに相談する際も、「大変です」だけで終わらせず、「この曜日・時間帯は固定させてほしい」という具体的な提案とセットで伝えると、話が進みやすいと感じています。

案件と案件の合間の限られた時間でも、自分のペースで学べる環境を持っておくと、思考の引き出しを増やす助けになります。私自身も、隙間時間を使ってオンライン講座で学んでみることで、日々の業務に新しい視点を補うようにしています。

タクマ

SIer(システムインテグレーター)でSE・プロジェクトマネージャーを経験したのち、IT/業務系コンサルティングファームへ転職。業界横断のプロジェクトに携わりながら、転職の実体験や入社後のギャップを発信しています。プライバシー保護のため、所属企業名・案件名など特定につながる情報は伏せています。

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