年収は上がったのに手取りが減った|コンサル転職の給与体系で戸惑ったこと

給与明細を見ながら年収と手取りの違いに戸惑うビジネスパーソン コンサル転職前のリアル

「年収は上がったはずなのに、なぜか毎月の手取りが前より少ない」。コンサルへ転職してから、給与明細を見ながら固まってしまったことがあります。オファーレターに書かれた年収の数字を信じて意気揚々と転職したのに、実際の振込額を見て「話が違う」と感じた方も、もしかしたらいるのではないでしょうか。

「コンサル 転職 年収」で検索すると、職位別・年齢別の相場や、賞与比率の違いを解説した記事は数多く見つかります。ただ、そのほとんどは第三者目線の相場解説にとどまっていて、実際に給与明細を見た瞬間の戸惑いや、なぜ自分がその内訳を確認していなかったのかという一次体験ベースの話はあまり見当たりませんでした。この記事では、その抜け落ちがちな部分を、自分の経験から埋めていきたいと思います。

この記事でわかること

  • 年収が上がったのに手取りが減る、給与体系のからくり
  • 内定を受ける段階で確認しておくべき年収の内訳
  • 入社直後の資金繰りで実際に困ったことと、事前にできる対策

年収通知を見て喜んだのも束の間、給与明細で固まった

オファーレターに記載されていた年収は、前職のSIer(システムエンジニア)時代よりも明確に高い数字でした。年収ベースで見れば紛れもなくアップだったので、当然生活も楽になるだろうと単純に思い込んでいました。

ところが、入社して最初の給与日に振り込まれた金額を見て、正直戸惑いました。前職の月給とほとんど変わらない、むしろ気持ち下がっているようにさえ感じたからです。年収の総額が上がることと、毎月の手取りが増えることは、実はまったく別の話だったのだと、そのとき初めて実感しました。

原因は「賞与の比率」がまったく違ったこと

給与体系を改めて確認して分かったのは、コンサル業界の年収の組み立て方が、前職とは根本的に異なっていたことでした。月々のベース給の割合を抑え、その分を賞与としてまとめて後払いする設計になっていたのです。

年収の総額に占める賞与の比率が高いほど、月々の手取りは相対的に少なくなります。賞与が確定して支給されるタイミングまでは、体感として「思っていたより給料が少ない」状態がしばらく続くことになります。

SIer(システムエンジニア)時代の感覚のまま抜けきれなかった

SIer(システムエンジニア)時代の賞与は、業績連動とはいえ比較的安定した金額が、年2回程度のタイミングで支給される感覚でした。月給もある程度固定された水準だったため、生活設計は立てやすかったように思います。

コンサルに移ってからは、賞与額そのものが個人の評価によって大きく変動する上に、月々のベース給を低めに設計している分、賞与が出るまでの体感的なキャッシュフローが以前より厳しくなる時期がありました。「年収が上がったから大丈夫」という年功序列的な感覚のまま構えていたことが、そもそもの見立て違いだったのだと思います。

毎月の家計のやりくりで、具体的に困った場面

実際に困ったのは、家賃や固定費の支払いといった、毎月必ず出ていくお金のやりくりでした。前職の感覚のまま月々の支出を組んでいたので、最初の数ヶ月は口座残高の減り方に落ち着かない気持ちになったのを覚えています。

幸い賞与が支給されるタイミングでまとまった金額が入ってきたため、年間で見れば帳尻は合っていました。ただ、「年間で見れば大丈夫」という安心感だけでは、目の前の月々の資金繰りの不安は解消されないのだと、身をもって知りました。転職直後の数ヶ月は、多少の余裕資金を確保しておくと精神的にかなり楽になると思います。

後から役に立ったと思う工夫は、入社前の段階で、年間の支給スケジュール(おおよそ何月に賞与が出る想定か)をできる範囲で確認しておくことでした。金額まで正確に教えてもらえなくても、支給の時期さえ分かっていれば、当面の資金繰りの見通しはかなり立てやすくなります。

オファー年収の「内訳」を確認しなかったことを後悔した

今振り返って反省しているのは、内定を受ける段階で、年収の内訳をきちんと確認していなかったことです。私の場合、初年度には転職に伴う一時金が上乗せされていたため、提示された年収の数字が実態よりも高く見えていました。

この一時金は入社時だけの単発のものだったので、翌年度以降は当然その分だけ年収ベースで下がることになります(もちろん賞与等で別の形で水準が上がる可能性もあり、一概に悪いわけではありません)。額面の総額だけで判断せず、基本給・賞与・一時金といった内訳まで確認しておけば、心の準備ができていたはずだと感じています。年収そのものの変化については、以前SIerからITコンサルへの年収変化のリアルという記事でも詳しく書いていますので、あわせて読んでみてください。

給与体系の違いに戸惑わないために、今からできること

この経験を通じて思うのは、業界が変われば給与の「設計思想」ごと変わるという前提を持っておいた方がいいということです。

戸惑わないために事前にできること4つ

  1. 内定を受ける段階で、基本給・賞与・一時金の内訳を確認する
  2. 初年度の一時金など、単発の上乗せが含まれていないか確認する
  3. 年間の賞与支給スケジュール(おおよその時期)を把握しておく
  4. 転職直後の数ヶ月分は、多少の余裕資金を確保しておく

年収の総額だけでなく、月々のベース給・賞与の比率・支給タイミングまで具体的にイメージしておくと、入社後の戸惑いはかなり小さくできます。

あわせて、コンサルの現場では会計・財務的な数字の見方そのものが日常的に求められる場面が多くあります。給与明細の中身を自分で読み解く力も、広い意味でのビジネスの数字感覚の一部だと、今になって感じています。転職前後の時間があるうちに、こうした数字の基礎を学び直しておくのも一つの手だと思います。

もし家族がいる場合は、この給与体系の違いを自分だけで抱え込まず、早い段階で共有しておくことも大切だと感じています。月々の手取りが一時的に減る可能性があると事前に伝えておくだけで、家庭内での無用な不安を減らせるはずです。

年収は上がったのに手取りが減ったと感じる瞬間は、決して珍しいことではありません。事前に給与体系の違いを知っておくだけで、入社後の戸惑いはずいぶん減らせるはずです。SIer時代に感じていたことについては、コンサル転職前のSIer時代、感じていたことを全部書くにまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。

会計・財務の基礎やビジネス数字の読み方など、気になるテーマがあれば、まずは自分のペースでオンライン講座で学んでみるのもおすすめです。転職を決めていない段階でも、無理なく始められるはずです。

タクマ

SIer(システムインテグレーター)でSE・プロジェクトマネージャーを経験したのち、IT/業務系コンサルティングファームへ転職。業界横断のプロジェクトに携わりながら、転職の実体験や入社後のギャップを発信しています。プライバシー保護のため、所属企業名・案件名など特定につながる情報は伏せています。

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