障害対応で技術力のなさを痛感した、SIer1〜3年目が辛かった理由と乗り越え方

深夜に障害対応でパソコンに向き合うSIerの若手エンジニア コンサル転職前のリアル

新卒でSIerに入社し、SE(システムエンジニア)として数年間、日々の業務に追われる毎日を過ごしました。「技術のキャッチアップが辛い」という悩みは、これまで様々な記事で語られてきたと思います。

ただ、実際に自分が一番苦しかった場面を思い返してみると、日々の学習不足そのものよりも、もっと具体的な、ある特定のシーンに集約されることに気づきました。当時は「自分の技術力が低いからだ」と単純に落ち込んでいましたが、今振り返るとそれは半分正しく、半分は捉え方が違っていたと思っています。

この記事では、その具体的な場面と、そこからどう乗り越えたかを、できるだけ正直に書いておこうと思います。

この記事でわかること

  • 技術キャッチアップの辛さが集中していた「有事」の場面
  • 障害対応・振り返り会で力不足を実感した具体的な瞬間
  • 特別なショートカットはなく、地道にやって乗り越えたこと

技術キャッチアップの辛さは、実は「有事」に集中していた

新卒〜数年目の頃、日々の業務でも新しい技術・ツールに触れる機会は多く、キャッチアップに苦労する場面は日常的にありました。ただ振り返ってみると、その苦労は「時間をかければなんとかなる」種類のものだったように思います。

分からないことがあれば先輩に聞いたり、時間をかけて自分なりに調べたりする余裕が、まだそこにはありました。本当に苦しかったのは、そうした余裕がまったくない場面、つまり本番環境のトラブル対応の現場でした。限られた時間の中で原因を特定し、対処しなければならない状況では、日々の学習で埋めきれていなかった知識・経験の不足を、これでもかというほど痛感させられました。

障害対応の現場で、力不足を突きつけられた具体的な瞬間

本番環境で何らかの不具合・トラブルが発生すると、まず状況の切り分けから始まります。ログを追い、仕様書を確認し、どこで何が起きているのかを特定していくのですが、若手のうちはこの「切り分け」の勘所そのものがまだ身についていません。

先輩がすぐに原因のあたりをつけられる場面でも、自分は手がかりすら掴めず、時間だけが過ぎていく感覚を何度も味わいました。「勉強不足」という言葉では片付けられない、実戦経験の絶対的な少なさを突きつけられる時間だったというのが、当時の率直な実感です。

夜間・休日の対応にあたることもあり、体力的にも精神的にも消耗しました。

障害対応後の「振り返り会」でも、力不足を実感した

障害が収束したあとには、原因と対応内容を整理して報告する振り返りの場が設けられることがほとんどでした。この場でも、当時の自分はうまく言語化できず苦労しました。

何が起きたかは分かっても、「なぜその判断をしたか」「他にどんな可能性を検討したか」まで筋道立てて説明することが難しく、先輩から鋭い質問を受けるたびに、自分の理解の浅さを突きつけられる感覚がありました。この「振り返りの場でうまく言語化できない」という経験は、後年、コンサルタントとして「なぜそう考えたのか」を問われ続ける仕事に就いてから振り返ると、実はその原型だったのかもしれないと感じています。

当時は苦手意識ばかりが先に立っていましたが、今思えば、あの振り返りの場こそが一番の学びの機会だったのだと思います。

「SIerはつらい」という一般論では見えてこない、平時と有事のギャップ

SIerの働き方について検索すると、「技術力が身につかない」「調整業務が多い」「古い技術に縛られがち」といった理由が並ぶ記事が多く見つかります。これらはこれで事実の一面を捉えていると思いますが、実際に自分が一番苦しかった局面は、そうした平常時の業務内容そのものの話ではありませんでした。

「いつ辛いと感じるか」というタイミングを分解してみると、平常時のキャッチアップよりも、有事(障害・トラブル対応)の場面に苦しさが集中していたというのが、体験してみて初めて分かったことです。この平時と有事のギャップは、外から一般論として眺めているだけでは意外と気づきにくい部分だと思います。

特効薬はなかった。地道にログと仕様書を読み込み続けたこと

では、どうやってこの苦しさを乗り越えたのか。正直に言うと、特別なショートカットや裏技のようなものはありませんでした。

障害対応が一段落したあと、原因になったログの内容や、関連する仕様書を自分の納得がいくまで読み込み直す。それを一件一件、地道に積み重ねていっただけです。

派手さのない方法ですが、一つひとつの障害対応を「その場をしのいで終わり」にせず、事後に振り返って自分の血肉にする作業を繰り返したことが、結果的に一番効いた乗り越え方でした。回数を重ねるうちに、切り分けの勘所のようなものが、少しずつ自分の中にも蓄積されていく感覚がありました。

同じ障害に二度出会うことは少なくても、原因の探り方・考え方の型は着実に増えていったように思います。

辛さが出やすかった2つの場面

  • 本番環境の障害対応(ログを追い、仕様書を確認して原因を特定する場面)
  • 障害収束後の振り返り会(原因と対応内容をうまく言語化できなかった)

今、同じ苦しさの中にいる後輩たちに伝えたいこと

この経験は、その後SEからPMへとキャリアを積んでいく過程でも、さらにその先でITコンサルタントへ転職してからも、地味に効いてくる土台になったと感じています。SIer時代のキャリアの積み上げ方については、以前書いたSEからPMになるには(SIer内キャリアアップ)でも詳しく触れていますので、あわせて読んでみてください。

また、コンサル転職後に資料作成やディスカッションについていけずに苦しんだ経験を克服した話コンサル転職後、資料作成・議論についていけなかった私が克服のためにやったこと5つにも通じる部分があり、「特別な才能ではなく、地道な積み重ねで乗り越えられる」というメッセージは共通しています。

もし今、技術キャッチアップの辛さ、特に有事の場面での力不足に悩んでいるなら、それは決してあなたの能力が低いからではなく、単純に実戦経験の絶対量がまだ足りていないだけの場合がほとんどです。地道な振り返りを続けていけば、状況は必ず少しずつ変わっていきます。

焦らず、一件ずつ向き合っていってください。個人的には、対応した障害の概要・原因・当時自分が分からなかった点を、簡単なメモとして残しておく習慣が役に立ちました。

件数を重ねるごとに読み返すと、少しずつ「分かること」が増えている自分に気づけて、地道な積み重ねを続ける支えにもなりました。

体系的に基礎から学び直したいという方は、オンライン講座で学んでみるのもひとつの選択肢です。

タクマ

SIer(システムインテグレーター)でSE・プロジェクトマネージャーを経験したのち、IT/業務系コンサルティングファームへ転職。業界横断のプロジェクトに携わりながら、転職の実体験や入社後のギャップを発信しています。プライバシー保護のため、所属企業名・案件名など特定につながる情報は伏せています。

タクマをフォローする
コンサル転職前のリアル
タクマをフォローする
タイトルとURLをコピーしました