「アサイン待ち」「稼働率」とは?コンサル1年目に面食らった働き方の単位|SIerとの違い

稼働率やアサインという聞き慣れない働き方の単位に戸惑うビジネスパーソン 入社後ギャップ

「稼働率」や「アサイン」という言葉を、転職する前からきちんと理解している方は、意外と少ないのではないでしょうか。少なくとも私は、SIer(システムエンジニア)としてPM業務までこなしていたにもかかわらず、コンサルに転職した初日にこの言葉が飛び交うのを聞いて、正直何を言っているのか分かりませんでした。

「コンサル 稼働率 アサイン」で検索すると、それぞれの用語の意味や、キャリアにおけるアサインの重要性を解説してくれる記事が数多く見つかります。ただそのほとんどは、既にコンサルとして働いている人に向けて「アサインをどう勝ち取るか」を説く内容で、SIerから転職してきたばかりの人間が、そもそもこの言葉の存在自体を知らずに戸惑った、という入り口の話までは書かれていませんでした。今回は、その戸惑いの中身と、転職前の今からできる心構えを書いてみます。

この記事でわかることは、次の3点です。

  • SIer時代の「稼働」とコンサルの「稼働率」「アサイン」が、根本的に何が違うのか
  • 何も知らずに現場に放り込まれて、具体的に何に戸惑ったか
  • 転職前の今のうちに知っておくと、戸惑いを減らせること

先に用語をかんたんに整理しておきます

  • アサイン: コンサルタントがプロジェクトのメンバーとして割り当てられること
  • アサイン待ち: どのプロジェクトにも割り当てられず、次の案件が決まるのを待っている状態。ファーム全体の案件と人員の需給で決まるため、本人の希望だけではすぐに解消しない
  • アベイラブル: アサイン待ちとほぼ同じ意味で、「今は手が空いていて案件に入れる」状態を指す社内用語
  • 稼働率: 勤務時間のうち、プロジェクト(クライアントに請求できる仕事)に充てた時間の割合。評価に影響することが多い

SIer時代の「稼働」とコンサルの「アサイン」は、似ているようで別物だった

SIer時代も、月次でタイムシートに工数を入力し、プロジェクトごとの稼働時間を報告する習慣はありました。ただそれは、あくまで管理部門への報告作業という位置づけで、自分のキャリアや評価を直接左右する感覚はあまりありませんでした。

コンサルに転職して最初に面食らったのは、「稼働率」がそのまま個人の売上・評価に直結する、非常に重たい数字として扱われていたことでした。SIer時代の「稼働」が単なる勤怠報告だったのに対し、コンサルの「稼働率」は、自分がどれだけ会社の収益に貢献しているかを示す指標そのものだったのです。

そもそもSIer時代は、案件への配属自体が長期スパンで固定されていて、自分がいつ・どの案件に入るかを意識する場面がほとんどありませんでした。配属は上司や案件側の都合で決まるもので、社員はその決定を受け取る側という感覚が強かったように思います。

初日から飛び交う「アサイン待ち」「アベイラブル」に、意味も分からず戸惑った

入社してすぐ、周囲のメンバーが「今アベイラブルで」「来週からアサインが決まりそう」と当たり前のように話しているのを聞いて、正直に言うと何の話をしているのか分かりませんでした。SIer時代は、案件への配属は基本的に会社や上司が決めるもので、自分から動いて獲得するという発想自体があまりなかったからです。

後から知ったのですが、「アサイン」とはプロジェクトへの割り当てそのものを指し、「アベイラブル」とは今どの案件にも入っていない、いわば手空きの状態を指す言葉でした。SIer時代であれば、契約期間中は基本的にずっと同じ現場に常駐し続けるのが当たり前だったので、「今どの案件にも入っていない」という状態が公式に存在し、それが周囲にも見える形で扱われていること自体に、まず驚きました。

「稼働率」が評価に直結すると知って身構えた

さらに戸惑ったのは、この稼働率やアサインの状況が、そのまま人事評価や次のキャリアに直結する仕組みになっていたことです。SIer時代は、多少手が空いている時期があっても、年次を重ねていれば評価が大きく揺らぐことはあまりありませんでした。

コンサルでは、アベイラブルの期間が続くこと自体が本人の意欲や実力を疑われる材料になりかねないため、案件が空きそうになったら自分から情報を取りに行く、という能動的な動き方が求められます。指示を待っていれば案件が回ってくるSIer時代の感覚のままだと、ここで最初につまずきやすいと感じました。

稼働率やアサインという言葉自体は無機質な業務用語に見えますが、その裏側にあるのは「与えられた仕事をこなす姿勢」から「自分の仕事を自分で取りに行く姿勢」への転換だったと、今振り返ると思います。この感覚の違いは、資料作成や議論の進め方といった目に見えるスキルの差以上に、じわじわと効いてくる部分でした。

今のうちに知っておくと戸惑いが減る3つのこと

振り返ってみると、あらかじめ次の3点を知っておくだけでも、入社直後の戸惑いはかなり減らせたはずだと感じています。

  1. 稼働率は「頑張っている感」ではなく、可視化された数字として管理される指標であること(工数入力が単なる事務作業ではなく、評価材料そのものになるという前提で臨む)
  2. アサインは黙って待つものではなく、空きそうなタイミングで自分から周囲や上司に希望を伝えに行くものであること
  3. アベイラブルの期間があること自体は珍しくなく、過度に落ち込む必要はないが、その間に何をするか(学習や情報収集)を自分で決めておくと気持ちが安定しやすいこと

特に1つ目の「稼働率が可視化される」という感覚は、実際に自分の稼働状況が数字として見える環境に入って初めて実感が湧きました。事前に知識として知っておくだけでも、初日の戸惑いはかなり違ったはずだと思います。

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案件を複数掛け持ちするようになってからの負荷や対処法はコンサルで複数案件を掛け持ちして頭が追いつかなくなった話|曜日・時間帯を固定して乗り越えた工夫で書きました。アサインが増えてからの悩みとして、あわせて読んでいただけるとつながりが見えるかと思います。

1年目の実際の1日の過ごし方についてはコンサル1年目、実際の1日のスケジュールもあわせてご覧ください。

入社後ギャップ全般についてはSIerからITコンサルへ転職して味わった入社後ギャップ、感じたことを全部書くにまとめていますので、こちらもご覧ください。

終わりに

「稼働率」や「アサイン」という言葉は、実際にコンサルの現場に入ってみないとなかなか実感が湧かないものだと思います。それでも、こうした働き方の単位があらかじめ存在することを知っておくだけで、入社後の戸惑いは確実に和らぎます。

まだ転職活動を始めていない今の段階からでも、SIerでの評価のされ方と、コンサルでの評価のされ方がどう違うのかを少し意識して情報を集めておくだけで、入社後の心構えはずいぶん変わってくるはずです。

気になるテーマがあれば、まずは自分のペースでオンライン講座で学んでみるのもおすすめです。

タクマ

SIer(システムインテグレーター)でSE・プロジェクトマネージャーを経験したのち、IT/業務系コンサルティングファームへ転職。業界横断のプロジェクトに携わりながら、転職の実体験や入社後のギャップを発信しています。プライバシー保護のため、所属企業名・案件名など特定につながる情報は伏せています。

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