「どう思う?」と聞かれて言葉に詰まった、ITコンサル転職のケース面接で私が失敗した瞬間

選考・面接

SIerで7年ほどSE〜PMとして働いたのち、ITコンサルへの転職活動を始めたころ、私は市販のケース面接対策本を何冊も読み込み、フレームワークもひと通り頭に入れて選考に臨みました。それなりに準備はしたつもりだったのですが、実際の面接では想定していなかった形でつまずきました。「知識としてわかっている」ことと「その場で思考を見せられる」ことの間には、想像以上に大きな壁があったというのが、選考を終えて振り返ったときの率直な感想です。

ケース面接で「どう思う?」と聞かれて、頭が真っ白になった話

ある企業の面接で、架空のクライアント企業が抱える売上減少という課題を与えられ、その原因と打ち手を考えるケース問題が出されました。私は対策本で覚えたフレームワークに沿って、市場・競合・自社という切り口で情報を整理し始めました。ところが途中で面接官から「それで、あなたはどう思う?」と聞かれた瞬間、頭の中が真っ白になってしまったのです。フレームワークで要素を分解することはできても、そこから先の「自分なりの仮説」を持っていなかったことに、その場で初めて気づかされました。整理した情報をなぞるように話すことしかできず、明らかに歯切れの悪い回答になってしまったのを今でも覚えています。

なぜ「正解」を探しにいくと、ケース面接で詰まってしまうのか

面接後に振り返って気づいたのは、自分がずっと「面接官の頭の中にある正解」を探そうとしていたということでした。フレームワークも、正解に近づくための道具として使ってしまっていたのです。しかしケース面接で本当に見られているのは、決まった正解にたどり着けるかどうかではなく、限られた情報の中でも自分なりの仮説を立て、根拠とともに主張できるかという思考のプロセスそのものだったのだと思います。正解探しに意識が向いていると、想定外の切り返しをされた瞬間に、拠り所を失って言葉に詰まってしまう。これが、私がケース面接で最初につまずいた根本的な原因でした。

SIer時代の「指示を待つ」姿勢が、面接にもそのまま出ていた

この失敗の背景には、SIer時代の仕事の進め方が色濃く影響していたように思います。当時の私は、方向性がある程度定まった状態で詳細を詰めていく仕事が中心で、「まず仮説を立てて、自分から動く」という経験が乏しいままでした。要件や仕様という前提が先に与えられ、その中で最適な実装や進め方を考える、という順序に慣れきっていたのです。ケース面接という、前提そのものが曖昧で自分で仮説を組み立てなければならない場では、その「指示を待つ」姿勢が思わぬ形で表に出てしまったのです。「詳細を詰める仕事」から「方向性を決める仕事」への視座の違いは、実は入社後だけでなく、選考の段階からすでに始まっていたのだと、今なら分かります。

面接官が本当に見ていたのは「答え」ではなく「思考のプロセス」だった

この面接では結果的に評価をいただけなかったのですが、後日別の企業の選考を受けた際、面接官から思考のプロセスについて具体的なフィードバックをもらう機会がありました。そこで言われたのは、「多少ずれていてもいいので、まず自分の意見を先に言い切ってから、根拠を説明してほしい」ということでした。完璧な正解を出そうとして黙り込んでしまうより、粗くても自分の立場を明確にし、そこから議論を通じて精度を上げていく姿勢のほうが評価されるのだと知り、それまでの自分の準備の方向性がずれていたことに気づかされました。「正しい答えを当てにいく」のではなく、「暫定の仮説を先に置いて、対話の中で修正していく」姿勢こそが試されているのだと理解してからは、ケース問題への向き合い方が大きく変わりました。

対策本だけでは埋まらなかったギャップ

フレームワークや定石の解法を暗記すること自体は、選考の土台として無駄ではありませんでした。ただ、本を読んで「わかったつもり」になっていても、実際に声に出して「どう思う?」と問われた瞬間に対応できるかどうかは、まったく別の話でした。私の場合、模擬的に誰かに問いを投げてもらい、その場で仮説を口に出して説明する練習を重ねるまでは、知識と実践のあいだの壁を越えられませんでした。この壁の存在を事前に知らないまま本番の面接に臨んでしまったことが、最初の失敗につながったのだと思います。

振り返ると、同じ選考の過程で似たようなつまずき方を他にも経験しました。沈黙が怖くて、考えがまとまらないうちに話し始めてしまい、結論のない説明を長々と続けてしまったこともあります。また、制限時間を強く意識するあまり、途中から「時間内に終わらせること」自体が目的化してしまい、肝心の論理の一貫性が崩れてしまったこともありました。こうした失敗にはすべて共通点がありました。いずれも、自分の中に軸となる仮説がないまま話し始めてしまっていたのです。仮説さえ先に一言置いておけば、沈黙も時間切れも、それほど怖いものではなかったのだと今では思います。

失敗をきっかけに変えた、面接での臨み方

この経験のあと、私は面接の準備の仕方を根本的に変えました。フレームワークで情報を整理したら、必ずそこから「自分なら、こう考える」という一言を最初に付け加える練習をするようにしたのです。多少的外れでも構わないので、まず結論から話し、そのあとに根拠を続ける型を意識的に身につけました。誰かに相手役をお願いし、想定外の切り返しをわざと投げてもらう練習も繰り返しました。正解を探すことをやめ、粗くても自分の意見を先に言い切る練習に切り替えたことが、その後の選考を通過できた一番の要因だったと感じています。

まとめ

ケース面接での失敗は、知識不足よりも「正解を探しにいく姿勢」そのものに原因があると、自分の経験を通じて実感しました。SIerで積み上げてきた経験は決して無駄ではありませんが、面接という場でその経験を活かすには、意見を求められたときに黙り込まず、粗くても自分の仮説を先に言い切る練習が欠かせません。もし今、ケース面接の対策で伸び悩んでいるなら、フレームワークを覚え直すことよりも、誰かに問いを投げてもらいながら声に出して答える練習を優先してみてください。選考対策の情報収集や模擬面接の相手が必要な場合は、コンサル特化型の転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。エージェントとの相性の見極め方については、エージェントの当たり外れ・見極め方でも詳しく書いているので、あわせて参考にしてください。

タイトルとURLをコピーしました