入社してから気づいた、定着率が高いコンサルティングファームの見分け方

同僚同士が自然に助け合いながら働くオフィスの様子 選考・面接

「このファーム、定着率が高そうだな」と初めて実感したのは、実は選考中ではなく、入社してからしばらく経った頃でした。

SIer(システムエンジニア)からITコンサルへの転職を考えていた当時、どのファームを選ぶかを比較する材料として、年収やプロジェクト内容にばかり目が向いていて、「定着率」という視点はほとんど持っていませんでした。実際に働き始めてみると、周囲のサポート体制やオンボーディングの質こそが、長く働き続けられるかどうかを大きく左右していると痛感しました。

この記事では、私が入社後に実感した「定着率が高いコンサルティングファームに共通する特徴」と、それを選考段階でどう見抜けばよかったのかを、実体験ベースでまとめます。

この記事でわかること

  • SIer時代には持っていなかった「定着率」という視点
  • 選考中に、定着率が高いファームかを見分けるチェック方法
  • 「定着しにくいかもしれない」と感じたサイン

SIer時代には持っていなかった発想だった

振り返ってみると、SIer(システムエンジニア)として働いていた頃は、会社の定着率をわざわざ意識したことがほとんどありませんでした。年次を重ねれば評価が上がっていく仕組みの中で、長く在籍すること自体があまり疑問視されない環境だったからだと思います。

一方でコンサル業界に転職しようとした時、周囲やネットの情報から「入れ替わりが激しい業界」という印象を強く受けました。だからこそ余計に、志望するファームが「入れ替わりが激しい方なのか、それとも比較的落ち着いている方なのか」を、選考の段階で見極めたいという気持ちが強くなっていったのを覚えています。

一般的な「離職率が高い理由」の説明だけでは足りない

コンサル業界の離職率について調べると、up-or-out(昇進できなければ組織を出る)という仕組みや、プロジェクトの負荷の高さなど、業界構造そのものを理由に挙げる記事がよく見つかります。

こうした説明は業界全体の傾向としては間違っていないのですが、「では自分が受けているこのファームは、定着率が高い方なのか低い方なのか」を判断する材料にはなりにくい、というのが転職活動をしていた当時の率直な感想でした。制度の一般論ではなく、もっと具体的に「面接のどこを見れば分かるのか」を知りたかったのです。

逆質問で聞いた一言が、後から効いてきた

選考の逆質問の時間で、私は「入社後にギャップを感じる方や、苦労される方にはどんな傾向がありますか」という質問をしたことがあります。詳しい経緯は「逆質問で何を聞けばいいか分からなかった」ITコンサル選考で唯一役に立った質問にも書きましたが、この質問への答え方一つで、そのファームの姿勢が透けて見えることに後から気づきました。

質問に対して具体的な傾向まで答えられる面接官がいるファームは、それだけ人の定着に関心を持ち、実際に観察している証拠だと、今になって思います。逆に、当たり障りのない一般論しか返ってこなかった面接官もいて、そのときは正直「準備不足なだけかもしれない」程度にしか捉えていませんでした。ただ振り返ると、これも一つのサインだったのかもしれません。

入社後に実感した、定着率が高いファームに共通する特徴

実際に入社してみて分かったのは、メンター制度という「制度」そのものよりも、その周りの環境の方が大きく影響するということでした。詳しくは助け合いの文化・上司との距離感、SIer時代との違いにも書いていますが、具体的には、担当のメンターかどうかに関わらず、周囲が自然にサポートしてくれる文化があるかどうかです。

困っている素振りを見せると誰かしら声をかけてくれる、上長との距離が近く相談しやすい、といった空気は、制度として整備されているかどうかとは別の話です。「制度としてのオンボーディングがあるか」だけでなく「制度の外でも人がフォローしてくれるか」の両方が揃って、初めて定着率の高さにつながっていると実感しています。制度だけ立派で、実際に困ったときに誰も拾ってくれない環境では、いくらオンボーディング資料が整っていても意味がありません。

逆に「定着しにくいかもしれない」と感じたサイン

選考中、少し引っかかった点もありました。逆質問に対して当たり障りのない一般論しか返ってこなかったファームや、面接官によって回答の温度差が大きかったファームでは、実際に配属後の様子を聞いても解像度の低い答えしか得られませんでした。

面接官が「入社後に苦労するタイプ」を具体的に言語化できないファームは、裏を返せば、入社後のフォロー体制そのものがまだ属人的で、組織として仕組み化されていない可能性があると考えています。もちろん一度の面接だけで断定はできませんが、判断材料の一つにはなるはずです。

「定着しにくいかもしれない」と感じたサイン

  • 逆質問に対して、当たり障りのない一般論しか返ってこない
  • 面接官によって、回答の温度差が大きい

選考中にできる、具体的なチェック方法

これから選考を受ける方には、逆質問で「入社後にギャップを感じる人の傾向」を聞いてみることに加えて、オンボーディング期間中のサポート体制(メンターの有無、最初の数ヶ月のフォローアップ面談の頻度など)を具体的に聞いてみることをおすすめします。

可能であれば「ここ1〜2年で中途入社された方は、どのくらい定着されていますか」といった、やや踏み込んだ質問をしてみるのも一つの手です。数字での正確な回答が返ってこなくても、面接官がその質問にどう反応するか(即答できるか、言葉を濁すか)自体が、一つの参考情報になります。

自分一人で複数のファームを比較するのは、正直かなり骨が折れます。面接官への直接の質問だけでなく、担当のエージェントに、志望するファームの定着率や離職の傾向について聞いてみるのも有効な手段です。エージェントは複数の候補者のその後の様子を継続的に見ているため、個人の感覚よりも解像度の高い情報を持っていることがあります。

選考中にできるチェック方法

  1. 逆質問で「入社後にギャップを感じる人の傾向」を聞いてみる
  2. オンボーディング期間中のサポート体制(メンター制度など)を確認する
  3. 制度の有無だけでなく、その周りの環境(助け合う雰囲気)を見る

まとめ

今振り返ると、当時の私は年収やプロジェクト内容といった「入る前に分かりやすい条件」ばかりに目を向けていて、定着率という「入ってみないと分かりにくい条件」への意識が足りませんでした。

これから選考に臨む方には、逆質問やエージェントとの面談を通じて、この視点もぜひ持っておいてほしいと思います。選考全体の経験はITコンサルの選考で実際に何が起きたか、私が経験したことを全部書くにも総括しています。

もし志望するファームの定着率やオンボーディング体制について、面接官だけでなく第三者の視点からも聞いてみたい場合は、コンサル特化型のハイクラス転職エージェントとの面談で、選考中には見えにくい内部の実態を相談してみるのも一つの方法です。面談でファームの内部事情を相談してみる

タクマ

SIer(システムインテグレーター)でSE・プロジェクトマネージャーを経験したのち、IT/業務系コンサルティングファームへ転職。業界横断のプロジェクトに携わりながら、転職の実体験や入社後のギャップを発信しています。プライバシー保護のため、所属企業名・案件名など特定につながる情報は伏せています。

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