コンサルの上司の指摘が厳しくて心が折れかけた私が、同じ指摘を繰り返さないためにやったこと

上司からの厳しい指摘を受け止め、資料を見直すビジネスパーソン 入社後ギャップ

「コンサル 上司 厳しい」で検索すると、コンサルの上司の指摘がなぜ厳しくなるのか(クライアントに高いフィーを支払ってもらっている以上、成果物の完成度に妥協できない)を解説する記事や、「厳しい上司は上手に使うべき」という心構え論の記事が多く見つかります。

どれも的外れではないのですが、実際に指摘を受け続けた側として気になったのは、では具体的に、同じ指摘を二度と受けないようにするために何をすればいいのかという、行動レベルの部分がほとんど書かれていない点でした。

私はSIer(システムエンジニア)としてSE〜PMの実務を数年間経験したのち、ITコンサルタントへ転職しました。転職先で「合わない」というタイプの上司ではなかったものの、要求される指摘のレベルが高い上司のもとで案件に入り、しばらく苦労した時期があります。

この記事でわかること

  • コンサルの上司の指摘が「合わない」のではなく「レベルが違う」と感じた理由
  • 同じ指摘を繰り返し受けてしまっていた、当時の自分の仕事の進め方の問題点
  • 指摘のされ方が実際に変わった、具体的に変えた行動2つ

「合わない」というより、要求されるレベルそのものが違った

最初にはっきりさせておきたいのは、その上司との人間関係が悪かったわけではないということです。プライベートな話もしましたし、案件が終われば普通に雑談もする関係でした。

厳しかったのは、あくまで成果物や進め方に対する指摘のレベルであって、人格的な当たりの強さではなかったという点は、当時の自分にはなかなか整理できていませんでした。指摘を受けるたびに「自分がダメなんだ」という受け止め方に寄りがちだったのです。

気づけば、似たような指摘を何度も受けていた

振り返って一番反省しているのは、指摘の一つひとつには真剣に向き合っていたつもりなのに、少し形を変えた同じ種類の指摘を何度も繰り返し受けていたことでした。

例えば、資料の構成についてある会議で指摘を受け、その場では納得して直したはずなのに、次の案件・別のスライドで似た構成の甘さを再び指摘される、といった具合です。一件一件は別の指摘のつもりでも、上司から見れば「同じことをまだ言わせている」という状態だったのだと思います。

SIer時代は、指示された仕様や要件の範囲内で手直しをすることが多く、いわば「その場その場で直せばよい」仕事の進め方が身についていました。この積み上げ型の姿勢のままコンサルに来てしまっていたことが、根本的な原因だったと今では感じています。

もう一つ気づいたのは、指摘を受けた直後は「なぜそう言われたのか」の理由まで深く考えず、表面的な直し方だけを覚えてしまっていたことです。なぜその構成が甘いのか、なぜそのロジックでは伝わらないのかという一段深い理由を自分の言葉で説明できるようにしておかないと、状況が少し変わった別の場面では同じ穴に落ちてしまいます。

意識して変えたのは、指摘される前と、指摘された後の2つの動き

この状態を変えるために、特別な才能や裏技を使ったわけではありません。着手する前と、指摘を受けた後、それぞれのタイミングでの動き方を意識的に変えただけです。

同じ指摘を繰り返させないためにやったこと2つ

  1. 着手前に前提・方向性を早い段階ですり合わせる:資料や検討をある程度まで作り込んでから見てもらうのではなく、方向性の骨子だけの段階で一度上司に見せ、「この前提で合っているか」を確認するようにしました。手戻りが減るだけでなく、そもそも指摘される対象自体が減ります。
  2. 受けた指摘を自分用の一覧にストックし、着手前に見返す:指摘を受けた内容をその場のメモで終わらせず、簡単な一覧としてまとめておき、次に似たタイプの資料に取り掛かる前に必ず見返すようにしました。同じ観点を先に自分でチェックしてから提出できるようになります。

地味な工夫ですが、この2つを続けたことで、少なくとも「前にも言ったよね」という種類の指摘は明確に減りました。指摘そのものをゼロにすることはできませんが、同じ指摘を繰り返させないことは、意識と手順の工夫だけで十分に狙えます。

着手前のすり合わせは、最初は「こんな粗い段階で見せて大丈夫か」と気が引けました。ですが、粗い段階でこそ方向性のズレを直せるのだと考え方を切り替えてからは、むしろ相談すること自体が前向きに受け止められるようになった実感があります。

これからコンサルを目指す方へ

もし今、SIerやSEとして「指示された範囲を積み上げて直す」働き方に慣れているなら、コンサルでは着手前のすり合わせという一手間が、指摘の受け方そのものを変えるということを、あらかじめ知っておいてください。

資料作成そのものへの向き合い方はコンサル転職後、資料作成・議論についていけなかった私が克服のためにやったこと5つに、評価そのものが伸び悩んだ経験は「黙っていても見てもらえる」は通用しなかった|コンサルで評価が伸び悩んだ理由にまとめているので、あわせて読んでみてください。

入社後ギャップの全体像はSIerからITコンサルへ転職して味わった入社後ギャップでも整理しているので、気になるテーマから読んでみてください。

今の仕事の中でも、資料や提案を上司に見せる前に「この前提で合っているか」を先に一言確認してみる、という小さな練習はすぐに始められます。転職してから身につけるのではなく、転職前の今の仕事からでも始められる工夫だと思います。

転職を決めていない段階でも、資料構成や論理展開の型が気になるなら、気になる講座を覗いてみるところから始めてみるのも一つの手だと思います。

終わりに

厳しい指摘を受け続けると、「自分には向いていないのかもしれない」と感じる瞬間は正直あります。ですが、指摘の中身をよく見ると、人格の否定ではなく、成果物や進め方に対する具体的な要求であることがほとんどです。

指摘そのものの数を一気にゼロへ近づける必要はありません。まずは「同じ種類の指摘」だけに絞って、着手前のすり合わせと指摘の見返しという2つの動きを試してみることをおすすめします。

同じ指摘を繰り返させないための工夫は、才能ではなく手順の問題として身につけられます。転職前の今から、着手前にすり合わせる習慣を少しずつ試しておくだけでも、入社後につまずく期間を短くできるはずです。

タクマ

SIer(システムインテグレーター)でSE・プロジェクトマネージャーを経験したのち、IT/業務系コンサルティングファームへ転職。業界横断のプロジェクトに携わりながら、転職の実体験や入社後のギャップを発信しています。プライバシー保護のため、所属企業名・案件名など特定につながる情報は伏せています。

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