コンサル転職1年後に振り返って、あの決断は正しかったか

転職から1年が経ち、窓の外を見ながら物思いにふけるビジネスパーソン キャリアパス

SIer(システムエンジニア)からITコンサルへ転職してから、それなりに年次を重ねた今、あえて「ちょうど1年が経った頃」の自分を振り返ってみます。当時、節目として「あの時の決断は正しかったのか」を自分なりに整理したことがありました。

「コンサル 転職 1年後 振り返り」で検索すると、後悔しやすい人の特徴を類型化して整理する記事や、在籍期間の長さより経験の中身を重視すべきというアドバイス記事が上位に並びます。ただ、実際に1年を過ごしてみた実感としては、後悔したか満足したかのどちらか一色に塗り分けられるものではなく、良かった点と後悔している点が同時に存在しているのが正直なところでした。この記事では、その両方を具体的に棚卸しした上で、「今もう一度同じ決断をするか」という問いに自分なりに答えてみます。

この記事でわかること

  • 「成功か失敗か」で結論づけようとすると振り返りにくい理由
  • 1年で見えてきた「良かった点」「後悔している点」の具体的な中身
  • 同期・同僚と比較して焦らないための考え方

「良かったか、後悔したか」を先に決めようとすると振り返りにくい

1年の節目を迎えた時、最初にやろうとしたのは「転職は成功だったか失敗だったか」を一言で結論づけることでした。ところが実際にやってみると、うまくいかない部分と満足している部分が混ざり合っていて、無理に一言でまとめようとするほど実感から離れていく感覚がありました。

白黒つけようとするのをやめて、良かった点と後悔している点を別々のリストとして書き出してみることにしたのが、今回の振り返り方です。以下、それぞれ具体的に書いていきます。

1年を振り返って見えた「良かった点」3つ

  • 特定の製品・技術に縛られず、顧客本位で提案を検討できる自由度
  • 多様なバックグラウンドの同僚と働けること、困った時に助け合える文化
  • 意思決定のスピード感、上長との距離の近さ

良かったと感じている点

まず率直に良かったと思うのは、特定の製品や技術に縛られず、顧客本位で提案を検討できる自由度です。SIer時代は自社の製品・技術に寄せた提案になりがちでしたが、その縛りがなくなったことで、選択肢の幅そのものが広がった実感があります。

もう一つは、多様なバックグラウンドの同僚と働けるようになったことです。事業会社出身、金融出身、コンサル以外のプロフェッショナルファーム出身など、経歴の幅がSIer時代よりも大きく、困った時に相談できる相手の選択肢が増えました。あわせて、タスクが積み上がった時にお互いカバーし合う助け合いの文化があることも、1年を乗り切れた大きな支えでした。

意思決定のスピード感や、上長との距離の近さも想像していた以上に良かった点です。会議が終わった直後にラップアップしてネクストアクションに落とし込むまでのサイクルが速く、「持ち帰って検討」という間が少ないことに最初は驚きましたが、当時は驚きましたが、次第に自分に合った働き方だと感じるようになりました。定時後でも困った時に相談に乗ってくれる人がいる文化や、休みの調整のしやすさも、率直に良かったと思える部分です。

正直「後悔している点・しんどかった点」3つ

  • 「方向性そのものを決める」上位レイヤーの仕事への転換の難しさ
  • 忙しさの波が読みにくく、家庭との時間の確保に苦労した時期があったこと
  • 「黙々とやれば見てもらえる」感覚が抜けず、評価が伸び悩んだ時期があったこと

正直、後悔している点・しんどかった点

一方で、しんどかった点も具体的に書いておきます。一番苦しかったのは、SIer時代の「方向性は決まっている前提で詳細を詰める」仕事から、「方向性そのものを決める」上位レイヤーの議論に関わる仕事への転換でした。自社の売りたいものに寄せない、フラットな評価軸への切り替え自体が、思っていた以上に難しかったのが1年を通じての本音です。

資料作成でメッセージの弱さを指摘されたことや、会議での論理展開のスピードについていけなかったことも、正直まだ完全には解消しきれていません。加えて、案件によっては忙しさの波が読みにくく、家庭との時間の確保に苦労した時期もありました。

もう一つ、想定していなかった苦労として、評価のされ方があります。SIer時代のような年功序列的な「黙々とやっていれば見てもらえる」感覚のままでいたところ、成果を出していても自分からリードする姿勢を発信しないと評価に反映されにくいことに気づくのが遅れ、評価が伸び悩んだと感じる時期がありました。評価基準自体はむしろ明確で、上司も改善に協力的だったからこそ、受け身だった自分の姿勢の問題だったと、今振り返ると思います。

それでも「今もう一度同じ決断をするか」と聞かれたら

良かった点・後悔している点の両方を並べた上で、自分に問いかけてみたのが「今もう一度同じ決断をするか」という質問です。結論から言うと、答えは「する」でした。しんどかった点は、乗り越え方が見えている性質の苦労で、時間をかければ改善できる余地があると感じているからです。

一方で小さな後悔として、動くタイミングをもう少し早めても良かったのではという思いは残っています。「早く動いていれば良かった」という後悔と、「今の選択で良かった」という納得は、矛盾せず同時に持てるものだと、1年経ってようやく腹落ちしました。

同期・同僚と比べて見えてきたこと

1年経つと、同じ時期に入社した同僚や、他社で転職活動をしていた元同僚の状況も見えてくるようになります。中には自分より社会人経験が浅いのに、入社時点のグレードが自分と同じだった同僚もいて、「もう少し早く動いていれば」という小さな後悔につながった場面もありました。

一方で、同じSIer出身でも入社のタイミング・年次・悩んだポイントは人それぞれで、一律の正解タイミングがあるわけではないとも感じています。焦って比較しすぎず、自分の状況に照らして振り返ることの方が、結局は納得感につながりました。

1年という節目で気づいたこと

この振り返りを通じて気づいたのは、「転職の成否」は1回きりの結論を出して終わりにするものではなく、節目ごとに問い直し続けるものだということです。3年後・5年後に同じ問いを立てた時、答えが変わっている可能性は十分あると思っています。

だからこそ、こうして定期的に良かった点・後悔している点を棚卸しする習慣自体に意味があると感じています。当時の自分は、次の1年でフラットな評価軸への転換をもう少し自分のものにしたいと考えていました。実際にそこから年次を重ねる中で、少しずつ形になっていった実感があります。

入社直後に感じた「思っていたのと違った」という戸惑いについてはITコンサルに転職して「思っていたのと違った」と感じたことに、家庭との両立の工夫についてはITコンサルの激務と家庭の両立、実際にやっている工夫に、それぞれ具体的に書いています。SIerからITコンサルへの転職全体の流れについてはSIer(システムエンジニア)からITコンサルへ転職した私が、経験の活かし方・選考対策・年収相場をすべて書くにまとめていますので、あわせて読んでみてください。

もし今、同じような決断を迷っている段階であれば、一人で抱え込まず転職エージェントに登録して話を聞いてみるのも、判断材料を増やす一つの方法だと思います。

タクマ

SIer(システムインテグレーター)でSE・プロジェクトマネージャーを経験したのち、IT/業務系コンサルティングファームへ転職。業界横断のプロジェクトに携わりながら、転職の実体験や入社後のギャップを発信しています。プライバシー保護のため、所属企業名・案件名など特定につながる情報は伏せています。

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