ITコンサルの年収、「平均750万円」を見て安心しかけた私がオファーの内訳を確認して気づいたこと

オファー年収の内訳を確認するビジネスパーソン スキル・資格

結論から言うと、「ITコンサルの年収」を検索して出てくる平均値は、そのまま自分がもらえる額だと思い込むと痛い目を見ます。

実際に検索してみると、調査元によって平均700万円台後半という数字が複数出てきます。年代別に見ると20代は500万円台、30代は700万円台、40代は800万円台といった調査もあり、役職別に基本給だけを見ると、マネージャー級で1,000万円を超える調査結果も見つかります。ファームの規模や系統によっても100万〜300万円以上の差が出ると説明している記事もありました。

これらの数字はどれも間違いではないと思います。ただ、「平均・年代別・役職別」という切り口で整理された数字を眺めるだけでは、自分が実際に提示されたオファーをどう評価すればいいかは分からないというのが、SIer(システムエンジニア)からコンサルへ転職してオファーを受け取った私の実感です。この記事では、平均値の先にある「オファーの内訳をどう見たか」という一次体験を書きます。

この記事でわかること

  • 平均年収の数字だけでは見えてこない、オファー内訳の落とし穴
  • 一時金(サインオンボーナス的なもの)が初年度の年収を実態より高く見せる理由
  • オファーを受ける前に確認しておきたい具体的なポイント

検索で出てくる「平均年収」は、あくまで全体の地図でしかない

平均・中央値・年代別・役職別といった数字は、業界全体の相場観をつかむ上では有用です。自分の年齢や役職と近い層の数字を見れば、大まかな位置づけは分かります。

一方で、これらの数字はあくまで「地図」であって、自分が実際に受け取るオファーの「設計図」ではありません。同じ700万円台という提示額でも、その中身(基本給・賞与・一時金の比率)は会社によって全く違います。平均年収というマクロな数字と、自分のオファーというミクロな内訳は、別のレイヤーの話として分けて見る必要があると痛感しました。

同じ「平均」でも、基本給と賞与の比重はファームによって違う

もう一つ分かりにくいのが、同じような平均年収の数字でも、その中の基本給と賞与の比重が会社によって違うという点です。基本給の比重が高いファームは、業績に関わらず年収が安定しやすい一方、賞与の比重が高いファームは、業績が良い年は平均以上に跳ね上がる可能性がある分、良くない年は提示額より下がるリスクも抱えています。

この比重の違いは、転職サイトの平均年収ランキングだけを見ていても気づきにくい部分です。自分がどちらのタイプの給与構造を望むか(安定重視か、上振れ込みの成果報酬型か)を先に考えておくと、オファー内訳を見たときの納得感が変わってきます。

SIer時代の年功序列的な見方のまま、オファー額を見てしまっていた

SIer時代は、年収がおおむね年次とともに段階的に上がっていく仕組みに慣れていました。等級が上がれば給与テーブルも上がる、という見通しやすさがあったため、年収という数字そのものを深く分解して見る習慣がありませんでした。

コンサルへの転職で初めてオファーを受け取ったとき、私も最初は提示された総額の大きさにまず目が行きました。前職からの上昇幅だけを見て、ひとまず安心しかけたのを覚えています。しかし、その後エージェントとの面談で「この額の内訳、ちゃんと見ましたか」と聞かれ、初めて自分が総額しか見ていなかったことに気づきました。

オファーを受ける前に、実際に確認しておけばよかったこと

振り返ると、提示された年収の総額だけで判断せず、もう少し踏み込んで内訳を確認しておけばよかったと思う点がいくつかあります。特に注意したいのが、転職時の一時金(サインオンボーナス的なもの)の扱いです。

この一時金は入社時のみの単発のものであるため、翌年度以降は年収ベースで下がる可能性があります。初年度の提示額だけを見て「前職よりこんなに上がった」と喜んでいると、2年目以降の数字を見て戸惑う場面が出てくるかもしれません(もちろん、翌年度以降は賞与等で別の形で水準が上がっていく可能性もあり、一時金自体が悪いわけではありません)。

オファーを受ける際に確認しておきたいこと

  1. 総額ではなく、基本給・賞与・一時金それぞれの内訳と比率を確認する
  2. 一時金が含まれている場合、それが初年度限定かどうかをはっきりさせる
  3. 翌年度以降の年収がどのような構成・見込みになるかを、面談の場で遠慮せず聞いてみる

特に3番目は、聞きにくいと感じて後回しにしがちなポイントだと思います。私自身、最初のオファー面談では聞けずに持ち帰ってから後悔し、次の面談で思い切って質問してみたところ、想像していたよりも率直に答えてもらえました。

福利厚生も含めて、年収以外の条件も多面的に見る

年収の内訳とあわせて、福利厚生の違いも気になるところだと思います。前職(SIer)とコンサルとで福利厚生を比べると、当然ながら制度の違いはありますが、どちらが一方的に良い・悪いと断定できるものではないというのが実感です。

金銭面の比較は、年収・手取りの数字だけで終わらせず、福利厚生のような周辺条件も含めて多面的に見た方が、入社後の納得感につながると感じています。

これからコンサルを目指す方へ、今のうちに知っておいてほしいこと

まだ転職活動を始めていない段階では、平均年収の数字を眺めて一喜一憂することが多いかもしれません。それ自体は悪いことではありませんが、実際にオファーを受け取る段階になったら、総額の大きさだけで判断しないでほしいと思います。

内訳(基本給・賞与・一時金の比率)と翌年度以降の見込みまで確認し、納得した上で受諾する。このひと手間を事前に知っておくだけでも、入社後に「思っていた額と違う」と戸惑う場面を減らせるはずです。

年収変化そのものの実感についてはこちらの記事で、年収は上がったのに手取りが減ったと感じた給与体系の戸惑いについてはこちらの記事で詳しく書いています。実際に年収交渉をしてみた話はこちらの記事も参考にしてください。

ITコンサルで求められるスキル・資格について一次体験をまとめたこちらの総括記事もあわせてご覧ください。

同じように迷っている段階なら、まず情報収集として転職エージェントの面談を受けてみるのも一つの手だと思います。内訳の見方のような実務的な質問にも、具体的に答えてもらえるはずです。

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タクマ

SIer(システムインテグレーター)でSE・プロジェクトマネージャーを経験したのち、IT/業務系コンサルティングファームへ転職。業界横断のプロジェクトに携わりながら、転職の実体験や入社後のギャップを発信しています。プライバシー保護のため、所属企業名・案件名など特定につながる情報は伏せています。

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