「なぜコンサルに転職しようと思ったんですか」。選考の面接でも、転職後に後輩から聞かれるときも、この質問には毎回少し困ってしまいます。
分かりやすい単一のきっかけがあったわけではないからです。ある日突然「コンサルになろう」と決意したのではなく、気づけば本気で動いていた、というのが実際の感覚に近いです。
今回は、その情報収集レベルから本気の興味に変わっていった過程を、できるだけ具体的に振り返ってみたいと思います。
この記事でわかること
- コンサルを目指した理由が、一つの決定的なきっかけではなかったこと
- 情報収集レベルから本気に変わった過程
- 迷いや焦りとどう付き合ったか
最初は「なんとなく調べてみる」レベルだった
転職エージェント系のメディアを見ると、「スキルの陳腐化への焦り」や「上流工程に関われないフラストレーション」が転職理由として語られることが多いです。自分の場合もそうした要素がゼロだったわけではありませんが、それよりも実感として強かったのは、もっと漠然とした違和感でした。
最初は転職サイトに登録したのも、本気で転職するというより「今の市場価値がどれくらいか知っておきたい」という軽い気持ちからでした。求人票を眺めたり、コンサル業界の情報をなんとなく調べたりする期間が、数ヶ月単位で続いていたと思います。
この段階では、まだ「転職する」という決断はしていません。ただ、調べれば調べるほど、コンサルという働き方への解像度が上がっていく感覚がありました。
情報収集を続けるうちに、いつの間にか「知りたい」が「やってみたい」に変わっていたというのが、振り返って一番正直な表現です。明確な転換点を一つだけ挙げろと言われると、実は答えに困ります。
年功序列への率直な違和感が、背中を押した
ただ、後から振り返ると、本気度が明確に上がったタイミングはありました。SIer時代、周囲を見ていて、能力面で正直「この人がなぜ自分より高い評価・良い待遇を得ているのだろう」と感じる場面が何度かあったのです。
実力や成果よりも年次が評価を左右する仕組みそのものに、率直に言って嫌気が差したことがあります。これは特定の誰かへの批判というより、年功序列という仕組み自体への疑問でした。
この違和感は、転職を検討する上で意外と大きな比重を占めていたと思います。成果主義に近い評価軸で働きたい、実力がそのまま評価に反映される環境に身を置きたい、という気持ちが、漠然とした情報収集を「本気で動く」段階へ押し上げるきっかけの一つになりました。
年功序列的な評価構造への疑問は、実際に転職した後の年収カーブの違いにも直結する話で、その具体的な中身はSIerからITコンサルへの年収変化のリアルでも詳しく書いています。
本気になってからも、迷いがなかったわけではない
本気度が上がったからといって、すぐに迷いなく突き進めたわけではありません。正直に言うと、「SIerでの経験がコンサルで本当に評価されるのか」「畑違いの業界で通用するのか」という不安は、選考を受け始めてからもずっと付きまとっていました。
SIer時代に積み上げてきたものが、コンサルという別のフィールドではリセットされてしまうのではないか。そう考えると、今の環境にとどまる方が安全なのではないかという声も、頭のどこかで鳴り続けていました。
この不安を完全に消すことができたわけではありませんが、少なくとも和らげてくれたのは、実際に選考を受ける中で得られたフィードバックでした。面接官から「SIerでの調整力・顧客折衝の経験はそのまま強みになる」という評価をもらえたことで、漠然とした不安が具体的な自信に変わっていった実感があります。
SIer経験がどう評価されたか・されなかったかについては、SIerのSE経験はITコンサルでどう評価される?評価された点・されなかった点で詳しく書いているので、同じ不安を持っている人はあわせて読んでみてください。
周囲の転職と、「今しかない」という焦り
もう一つ大きかったのは、周囲の変化でした。同僚や知人で転職する人が増えてきた時期があり、それを見ているうちに「自分も今動かないとタイミングを逸するのではないか」という焦りに近い感覚が芽生えたのです。
年齢的なタイミングも意識し始めていた頃で、「もう少し様子を見よう」を続けているうちに、選べる選択肢自体が狭まっていくのではないかという不安がありました。
今振り返ると、この焦りは決してネガティブなものだけではなかったと思います。周囲の変化がきっかけで、自分の中で先延ばしにしていた検討に、実際に手をつける後押しになったという側面が大きいです。
年齢を理由に転職を迷っている読者は多いと思いますが、この焦りとどう向き合ったかについては、実際に動き出した後の葛藤も含めて転職を決断する直前の迷い・葛藤とどう向き合ったかでも書いているので、あわせて読んでみてください。
決意を後押しした4つの要素
- なんとなくの情報収集から、「知りたい」が「やってみたい」に変わっていった
- 年功序列的な評価への率直な違和感
- 選考で「SIerでの調整力・顧客折衝はそのまま強みになる」と評価された自信
- 周囲の転職と、「今動かないと」という焦り
まとめ:決意は一瞬ではなく、積み重ねだった
こうして振り返ると、コンサルへの転職を「決意した」瞬間は、実は一つに特定できません。なんとなくの情報収集から始まり、選考を通じて得た自信、年功序列への違和感、周囲の変化による焦りといった複数の要素が積み重なって、気づけば本気で動いていた、というのが実態に近いです。
今まさに「転職しようか、まだ様子を見ようか」と迷っている段階の人がいるなら、その迷いの中にいること自体は決して珍しいことではないと伝えたいです。
むしろ、明確な単一のきっかけを探そうとしすぎると、「まだ決定的な理由がないから動けない」と足踏みしてしまいがちです。振り返れば、複数の小さな違和感や焦りが積み重なった結果として決意にたどり着いていたのであって、最初から迷いのない確信があったわけではありません。
今感じている漠然とした違和感を過小評価せず、まずは情報収集レベルからでも動いてみることが、後から振り返ったときの転換点になるかもしれません。行動の大きさよりも、小さくても続けていることの方が、結果として決意の確かな土台になっていくのだと、今振り返って改めて思います。
情報収集の段階でも、実際にどんな選択肢があるのか、キャリアアドバイザーに話を聞いてみるだけで解像度が大きく上がることがある。自分の市場価値やキャリアの選択肢をフラットに相談してみたい方は、こちらもあわせてチェックしてみてください。


