転職活動を通じて、戦略系・総合系・IT系・Big4系など、ジャンルを絞らず幅広いコンサルティングファームを比較検討してきました。最初のうちは、正直なところ知名度や年収レンジといった外形的な情報だけで、なんとなく序列をつけていたように思います。
この記事では、実際に複数のファームを比較した結果、最終的に何を基準に選んだのかを、SIer(システムエンジニア)出身でITコンサルタントに転職した私の実体験として書きます。「コンサルファーム 比較」で検索すると出てくる分類・特徴の一覧記事だけでは見えてこなかった、比較した後にしか分からない結論です。
この記事でわかること
- 同じカテゴリーのファーム同士なら業務内容の差は小さい、というリアルな実感
- 比較サイトでは分からない「企業文化」の違いを見極める具体的な方法
- ファーム選びで実際に役立った質問・行動
比較サイトを見ても、結局どこがいいのか分からなかった
ネットで検索すると、ファームの分類や特徴を一覧でまとめた記事はたくさん出てきます。戦略系・総合系・IT系といった区分や、年収レンジ・激務度のランキングは頭に入りますが、実際に自分がそのファームで働くイメージまでは、正直つかめませんでした。
分類上は別カテゴリーに見えても、実際の業務内容がどこまで違うのか、外から眺めているだけでは判断がつきにくかったからです。だからこそ、面倒でも複数社の選考を並行して受け、実際に社員の方と話す機会を意図的に増やすことにしました。
同じカテゴリーの中でなら、業務内容に大きな差はなかった
もちろん、戦略系・総合系・IT系・Big4系というカテゴリーをまたげば、得意とする案件の重心(構想策定寄りか、実行支援寄りかなど)には元々違いがあります。今回気づいたのは、そこではなく、同じカテゴリー内(たとえばBig4クラスのファーム同士)で比較すると、組織の構造や担当する業務の内容自体はそこまで大きく変わらないということでした。案件の粒度や進め方に細かな違いはあっても、根本的な仕事の型は似通っていたのです。
この気づきは、比較を始める前には想像していませんでした。パンフレットやWebサイトの説明文だけを読んでいるときは、同じカテゴリー内のファーム同士でも、まったく違う仕事をしているように錯覚していたのだと思います。
一方で、はっきり違いを感じたのが「企業文化」でした
業務内容に大きな差がないとすれば、何を基準に選べばいいのか。比較を重ねる中でたどり着いたのが、社風や評価のされ方、人間関係の距離感といった企業文化の違いでした。同じような案件を扱っていても、意思決定のスピード感、上司や同僚との距離の近さ、フィードバックの伝え方には、ファームごとにはっきりとした個性がありました。
面談で受けた印象、選考中のメールのやり取りの雰囲気、オフィスの空気感といった細かな部分の積み重ねから、その会社の文化が少しずつ透けて見えてきます。数字で表せる指標ではないぶん、比較サイトの一覧表では絶対に拾えない情報だとも感じました。
文化の違いを見極めるために実際にやったこと
文化の違いを見極めるために実際にやった3つのこと
- 選考が進んだ会社ほど、できる限り複数の社員と話す機会を作る
- 面接官以外の若手・中堅社員とカジュアルに話せる場に積極的に参加する
- 評価のされ方、困ったときに相談しやすい雰囲気があるかを具体的に聞く
数字やパンフレットだけでは分からない文化を見極めるために、選考が進んだ会社については、できる限り複数の社員の方と話す機会を作るようにしました。特に面接官以外の若手・中堅社員とカジュアルに話せる場があれば積極的に参加し、評価のされ方や、困ったときに相談しやすい雰囲気があるかを具体的に聞くようにしていました。
一人で判断しきれない部分は、担当してくれていた転職エージェントにも率直に相談しました。複数社を同時に見ている立場だからこそ聞ける、外部からの評判や社内の雰囲気といった情報も、判断材料の一つになりました。
SIer時代の「選べなかった」経験との対比
SIer(システムエンジニア)として働いていたころは、正直、配属先やプロジェクトを自分で選べる場面はほとんどありませんでした。会社の意向や案件の都合で配属が決まることが多く、「自分に合う文化を選ぶ」という発想自体を、当時は持ったことがなかったように思います。
だからこそ、転職活動で複数のファームを比較し、自分の意思で「合う文化」を選べる立場になれたこと自体が、振り返ると大きな変化だったと感じています。
長く働き続けることを考えるなら、文化で選ぶべき理由
同じカテゴリー内で比較する限り業務内容がある程度似通っているのであれば、長期的に働き続けられるかどうかを左右するのは、日々のストレスの少なさや、自分の価値観との相性だと思います。合わない文化の中で無理をし続けるより、多少の業務内容の違いには目をつぶっても、自分が心地よく力を発揮できる文化の会社を選ぶ方が、結果的に長く走り続けられると感じています。
良いファームかどうかを定着率やオンボーディング体制から見分ける視点については、良いコンサルティングファームの見分け方(定着率・オンボーディング体制から)でも詳しく書いています。あわせて読むと、比較の解像度がもう一段上がると思います。
同じ質問でも、ファームによって返ってくる温度感が違った
比較する中で印象に残っているのは、「評価はどのように決まるのか」という同じ質問を複数のファームで投げかけたときの反応の違いです。ある会社では数値目標への到達度を淡々と説明されただけでしたが、別の会社では上司との日々の対話や、周囲からのフィードバックの積み重ねまで具体的に語ってもらえました。
質問への答えの中身そのものより、その場でどこまで踏み込んで語ってくれるか、雑談的な間合いをどう受け止めてくれるかという「やり取りの質感」に、その会社らしさが表れていたように思います。同じ資料・同じ制度概要を見せられても、説明する人によって伝わる温度感は大きく変わるものでした。
これからファーム選びをする方へ
もしこれから複数のファームを比較検討するなら、業務内容や年収レンジの比較だけで終わらせず、実際に働く人の声から文化の違いを拾いにいくことをおすすめします。比較サイトの一覧表だけでは見えてこない部分にこそ、長く働き続けられるかどうかの答えがあると、実体験から感じています。
SIerからコンサルへの転職全体の流れを振り返りたい方は、SIer(システムエンジニア)からITコンサルへ転職した私が、経験の活かし方・選考対策・年収相場をすべて書くもあわせて読んでみてください。
自分一人で複数のファームの文化まで見極めるのは簡単ではありません。首都圏勤務・23〜35歳が対象にはなりますが、IT・営業をはじめ幅広い業界の求人を扱う転職エージェントに相談し、社風や評判といった外からは見えにくい情報を集めてみるのも一つの方法だと思います。社内の人間関係の中だけで判断するより、外部の視点を入れた方が見えてくるものは多いはずです。


