ITコンサルは本当に激務か|転職して分かった、忙しさの「種類」とSIer時代との違い

激務の実態について考えるビジネスパーソンのイメージ 入社後ギャップ

「ITコンサル 激務 実態」と検索すると、残業時間の目安や役職別の労働時間データを整理した転職エージェント系の記事が数多く見つかります。月の残業時間が何十時間かという数字そのものは参考になりますが、実際に転職してみると、それだけでは物足りなさを感じました。

数字で示される「激務度」は、あくまで量の話です。SIer(システムエンジニア)としてSE〜PMの実務を7〜8年ほど経験したのち、ITコンサルタントへ転職した私が本当に戸惑ったのは、忙しさの「質」そのものが転職前後でまったく違っていたという点でした。この記事では、残業時間の数字だけでは語られない、忙しさの種類の違いについて、実体験をもとに書いていきます。

この記事でわかること

  • ITコンサルの「激務」の実態について、残業時間のデータだけでは見えない忙しさの質の違い
  • SIer時代の激務とコンサル時代の激務、具体的に何が違うのか
  • 複数案件を掛け持ちする働き方の中で、実際に効果があった工夫

残業時間の数字だけでは、ITコンサルの”激務”の実態は見えない

転職エージェント系のメディアを見ると、総合・ITコンサルではメンバークラスで月20〜40時間程度、マネージャークラスで月30〜50時間程度の残業が目安とされていることが多く、戦略系コンサルではさらに幅が大きくなるという説明が中心です。

こうした数字は転職を検討する際の目安としては有益ですが、「忙しい時期がいつ来るか予測できるかどうか」という感覚の違いまでは、数字だけでは伝わりません。私が転職して一番驚いたのは、まさにこの予測可能性の違いでした。

SIer時代の激務は、予測できない”炎上対応”型だった

SIer時代の激務は、計画通りに進んでいれば落ち着いている時期もありましたが、本番環境でのトラブル対応や、スケジュールの遅延が発覚した際の対応が重なると、一気に忙しさが跳ね上がるタイプのものでした。

厄介なのは、いつその状況が起きるか自分では予測できない点です。計画段階では余裕があるように見えても、ある日突然深夜までの対応が続くことがあり、忙しさの波を自分の意思でコントロールできない感覚がありました。

当時は「次にいつ炎上が起きるか分からない」という前提で予定を組むしかなく、プライベートの予定も直前まで確定させにくい状態が続きました。落ち着いている時期が続くと、むしろ「そろそろ何か起きるのでは」と身構えてしまうような感覚さえありました。

コンサルになってからの激務は、自分で抱え込む”掛け持ち”型

ITコンサルに転職してからの忙しさは、性質が違いました。不可抗力で忙しくなる場面よりも、複数の案件を同時に掛け持ちすること自体が負荷になる、という感覚が強くなったのです。

案件ごとに関わる業界やクライアント、検討している論点がまったく異なるため、頭を切り替えるだけでも相応のエネルギーを使います。一つの案件に集中できる時間が細切れになり、気づけば一日の大半が会議と頭の切り替えで埋まっている、という日もありました。

SIer時代の炎上対応は「いつか収まる」という前提がありましたが、掛け持ちの負荷はプロジェクトが順調に進んでいても常に存在し続けます。どちらが大変かという比較ではなく、対処の仕方自体を変える必要がある、まったく別種の忙しさだと捉え直す必要がありました。

掛け持ちの負荷を減らすために実際にやった3つの工夫

  1. 案件ごとに対応する曜日・時間帯をあらかじめ固定し、頭を切り替えるタイミング自体を決めてしまう
  2. その区切りをスケジュールツール上にも反映し、自分でも一目で把握できる状態にしておく
  3. 対応可能な時間帯を周囲のメンバーにも事前に伝えておき、調整の手間そのものを減らす

特別なテクニックではありませんが、「いつこの案件のことを考えるか」を先に決めてしまうことで、頭の切り替えにかかる負荷はかなり減らせたと感じています。

「激務かどうか」は案件次第で変わる、というのも正直な実感です

近年はフレックス制やリモートワークを取り入れているファームも増えており、働き方の柔軟性自体は上がっていると感じます。それでも案件の佳境では深夜までの作業が発生することもあり、「激務かどうか」を一律に語ることはできないというのが実感です。

大前提として、関わる案件やクライアントによって忙しさの波はかなり変わります。SIer時代のように「大きな障害さえなければ落ち着いている」という単純な図式ではなく、案件の数・組み合わせ・時期という複数の変数が絡み合っている感覚です。

同じ会社・同じ職位であっても、今関わっている案件の組み合わせ次第で忙しさの感じ方は大きく変わります。だからこそ、求人票や会社の評判だけで「激務かどうか」を判断しきるのは難しく、入社後にどの案件につくかという巡り合わせの要素も無視できないと感じています。

これからコンサルを目指す方へ

ここまで書いてきた「忙しさの種類の違い」は、実際に入社してから初めて実感できるものだと思います。ただ、転職前の今のうちに知っておくだけでも、入社後に感じる戸惑いの大きさは変わってくるはずです。

1日の働き方の具体的なイメージについてはコンサル1年目、実際の1日のスケジュール、複数案件を掛け持ちする働き方の負荷については複数案件の掛け持ちで頭が追いつかなくなった話でも具体的に書いていますので、あわせて読んでみてください。

入社後ギャップ全体についてはSIerからITコンサルへ転職して味わった入社後ギャップ、感じたことを全部書くにまとめていますので、あわせてご覧ください。

忙しさの質が変わることを見据えて、転職前の今のうちから学び直しておきたいテーマがあれば、まずは自分のペースでオンライン講座で学んでみるのもおすすめです。

終わりに

「激務かどうか」という問いに、一言で答えることはできません。それでも、忙しさの”種類”そのものが変わるという前提を知っておくことは、転職前の今からできる準備の一つだと思います。

残業時間の数字だけを見て不安になったり、安心したりするのではなく、自分がどんな種類の忙しさなら向き合えそうかを、転職活動の中で考えてみてください。

タクマ

SIer(システムインテグレーター)でSE・プロジェクトマネージャーを経験したのち、IT/業務系コンサルティングファームへ転職。業界横断のプロジェクトに携わりながら、転職の実体験や入社後のギャップを発信しています。プライバシー保護のため、所属企業名・案件名など特定につながる情報は伏せています。

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